最大の学びを得る読書技術
皆さんの本を読む目的って何でしょう??
少なからず何か目的があって本を読んでいる方がほとんどだと思います。
それは周りの同僚と共通のトピックで語れるようにしておくためとか、単に情報や知識の蓄積であったりと様々だと思います。
しかし根本には、皆本を読むことで何かしらの学びを得たいと思っているのではないでしょうか??
かくいう私も本を読むことで新しい価値観に出会えたり、物の見方を発見することが出来るのでよく本を読みます。しかし自分が読んだ本の書評などをAmazonやブログなどで見ていると、同じ本を読んだはずなのに私とは全く異なる視点で学びを得ている人たちがとても多くいたのです。当然、本に抱く感想や批評は人それぞれ異なります。しかし他の方々の優れた考察を見ていると、私ももっとこの本から多くの学びを得られたのではないかと思うようになったのです。
そこで出会ったのがこの本です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4061592998/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_RR0zAbWH4MQSV
この本は『物事を深く理解するための読書技術』を我々に教えてくれます。
当然のことではありますが、ただ字面を目で追うより、高度な読書技術を身につけた上で読んだ方が、1冊の本から得られる学びは多く、定着度もまるで違ってきます。
『本を読む本』では読書には4つのレベルがあると言います。それが以下の4つです。
➀初級読書
②点検読書
③分析読書
そして各段階で必要な読書技術を教えてくれる
のがこの本なのです。この読書技術をもってして、
➀主要なテーマと細分化されたトピック
②テーマに関する著者の主張と根拠
を説明できるようになり、
③著者の主張に対する読み手の批評
を行うのです。
本は4部構成になっており、1部序盤ではラジオやテレビ、ネットニュースなど情報を得る媒体が数多くある中で、あえて本を読むことから学びを得る意義を、『教わること』と『発見すること』の違いを踏まえて説明していきます。
『読む』という行為への見方も定義していて、とてもわかりやすいです。
1部中盤からはこの本の核である4つの読書レベルのうち➀初級読書と②点検読書について具体的な方法を学びます。
2部は③分析読書についてです。具体的な技術については省きますが、ここでやることは著者の主張と根拠を理解し、ひたすら内容の解釈に努めることです。本の中の表現を借りるのであれば、それは『著者の精神と出会う』ということです。
ところでこの本では、この本の提示する読書技術の対象を主に教養書と定めています。しかし小説や戯曲などの文学作品を読む際にも考え方を応用することは可能であり、第3部では『文学の読み方』について触れています。
個人的にこの章はとてもおもしろかったです。小説を読む際、感覚的に行っていたことが言語化されていて、すんなりと腹落ちすることが出来ました。結論を言ってしまうと、
小説を読む際は
"著者の世界観を体験することに努める"
それが重要だと結論付けています。これには非常に納得で、私は日常ではできない体験を、SF小説を読むことで擬似体験していたのであり、加えて日頃から物理や科学などとは縁のない私だからこそSFが他のジャンルの小説より面白く感じるのだなと思いました。
そして最後の第4部では読書の最終レベルであるシントピカル読書についてです。簡単に言うと比較読書のことであり、同一テーマに対して複数の著者の考え方を知り、自身の主張に客観性をもたせることを目的とします。
以上4つの読書レベルを踏まえて、本を構造的・解釈的・批評的に捉え、1冊の本から最大の学びを得るのです。読書には4つのレベルがあり、この本では各レベルにおける具体的技術を提供してくれます。
『本を読むための本』類のものは多くありますが、ここまで実践的な本には初めて出会いました。
1冊の本からより多くの学びを得たいと思う方々にオススメの1冊です。