2007年生まれの子供は50%の確率で107年以上生きる
平均寿命が伸び続けていることは、多くの人が知っていることだと思います。
織田信長は『人生50年』と謳いましたが、今日では50歳で亡くなったと聞けば "早すぎる" と感覚的にも思うでしょう。
しかし感覚的に理解していても、実際どのくらい伸びているか知らない人もいると思います。
国連の推計によれば、
2050年までに日本の100歳以上人口は100万人を突破する見込みであり、
また人口学者たちは
2007年に日本で生まれた子供の半分は107歳以上生きると推測しています。
要するに、過去の人たちより我々は長く生きる可能性が非常に高いのです。
このことを一言で表すなら "長寿化" ですね。
長寿化は良いことでしょうか、悪いことでしょうか。
答えは
"良いことにもなりうるし、悪いことにもなりかねない" です。
なぜなら、長寿化によって何がどのように変わるかを理解している人としていない人によって、結果が変わってしまうからです。
長寿化によって今までのような教育→仕事→引退の3ステージモデルは崩壊します。モデルが崩壊するというよりかは、このモデルのまま戦略を立てると、戦略自体が崩壊することを意味します。
3ステージモデルの崩壊は 年功序列・終身雇用の終わり、年金問題など、様々な形をして徐々に姿を表しています。
過去のロールモデルは既に機能しないのです。
そこで長寿化によって何がどのように変わるのかを理解し、最適な人生戦略を練る参考になるのが『LIFE SHIFT』です。
『LIFE SHIFT』では主に以下のことがまとめられています。
➀長寿化の影響によって具体的に何がどう変わるのか
②機械化・AIの進歩を踏まえた雇用について
③健康・知識・仲間といった無形資産の重要性
④長寿化によって生まれる新しい人生ステージ
⑤100年時代のお金の概念、諸問題
⑥100年時代の時間の使い方
⑦100年時代の人間関係のあり方
⑧個人・企業・政府・教育機関が直面するであろう課題について
です。
本を読み終えて、
長寿化の影響によって変わる働き方、夫婦の関係、お金の概念、余暇の使い方、健康問題、人間関係のあり方を理解し、最適な人生戦略を計画して欲しい。それを支えるために政府や企業も柔軟性を持って制度を作り直して行く必要がある。
これが筆者の思いなのではないかと私は考えます。
ここ数年のグローバル化とテクノロジーの進化によって、人々の働き方は大きく変わりました。
長寿化によっても働き方は大きく変わります。
変えなければならないのに、それがテクノロジーの進化のときより理解されないのは、長寿化そのものを実感出来ていないからだと思います。
テクノロジーの進化は生活に浸透していき、気付いたときには皆が勝手に対応していました。しかし寿命が伸びたと実感するのは、何かデータを見ない限りには、自身が80歳から100歳まで健康的に生きた"そのとき"なのです。
長寿化に関しては実感してから動くのでは手遅れになります。長寿化という事実は前もって知っているからこそ対応できるのです。
繰り返し言いますが、この本は長寿化の影響によって変わる生き方を理解し、最適な人生戦略を計画する際の示唆を与えてくれます。
長寿化は多少の差はあるものの "すべての人"
に起こっている現象です。
なのでこの本は "特定の誰か" ではなく、この長寿化時代に生まれた"すべての人" にオススメの本です。